「レビー小体型認知症の最大の危険性」=「薬の激しい副作用が出やすい」
覚えて頂けましたか?(まだの方は、こちらの記事を→ 薬剤過敏性)
これは個人差が非常に大きく、飲んでみるまで医師でも予測ができません。
それ以前に、この危険なレビー特有の症状を 多くの医師は、知りません。
知らないまま処方し、悪化すると更に増量して寝たきりにしてしまう医師は、決して珍しくないのです。
「ありえないでしょ」と笑う方は、体験記を(一番下から)お読み下さい。
私の母もリスパダールを飲んだ直後から歩けなくなり、71歳から車いすです。
< 新しい薬を飲み始めた時・変化のチェックポイント >
怒りっぽい/歩きにくい/起きていられない/食べられない/体が傾く
体が固まって動きにくい/ぼんやりして反応がにぶい/首が垂れる/
ぐったりしている/死んだ魚のような目/よだれが出る/その他
それは、薬の副作用です。
投薬は保留して、一刻も早く主治医に相談し、
その薬を止めるか、量を減らして下さい。
追記(2014年10月):
( 製薬会社発表 アリセプトの副作用をお読み下さい → こちら )
アリセプト3mgを飲み始めたら怒鳴り散らした/歩きにくくなった方が、
半量にしたら幻視(幻覚)も消えて良い状態になったという例もあります。
(1mgでもダメという方もいれば、5mgでも平気という方もいます。)
下記のリスクのある薬一覧にない薬でもレビーの方には、強く効き過ぎたり
医師や薬剤師も知らない副作用が出ることがあります。
余計な薬は、極力避け、薬の種類や量は、最小限まで減らして下さい。
向精神薬(気持ちを落ち着かせるなどと処方される薬)や睡眠薬は、
特定のもの(脚注1、2参照)を(一般の医師が驚く程)微量で処方した場合
症状が改善される方がいます。(それでも悪化する方もいます。)
飲ませた後は、集中治療室の患者と同じと考え、観察を怠らないで下さい。
出るのが、良い効果か悪い副作用かは、飲んでみなければわかりません。
まずは、今飲んでいる薬の中に下記の薬がないか、処方箋を調べましょう!
(注:長期に渡って大量に飲んでいる向精神薬を急に止めると危険です。
すぐに主治医に相談し、安全に対処して下さい。)
「ハイパー薬事典」で検索すると抗コリンかベンゾジアゼピン系か判明。
(★印で「薬剤名一覧」がありますが、該当薬剤の全てとは限りません。)
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<レビー患者のパーキンソン症状を特に悪化させやすい薬>(出典脚注1)
*リスパダール(リスペリドン)
(幻視等に処方。抗精神病薬)
*セレネース(ハロペリドール)
(精神安定等のために処方。抗精神病薬)
*ドグマチール(スルピリド)
(食欲不振、胃腸・うつ症状等に処方。抗精神病薬)
注byしば:上記3点は統合失調症治療薬。レビー患者に処方される例多。
(追記:セレネースは歩行がしっかりしていれば少量使用可能。リスパダールはパーキンソン症状が悪化するので常用は避ける。出典・脚注5)
*アリセプト(認知症薬。ドネペジル)
追記:極少量で有効な患者は多。個人差大きいが量が大きな問題に→詳細
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<レビー小体型認知症には
極微量で始め、十分な注意と観察が必要な薬>(出典・脚注2)
1. 抗精神病薬
2. 抗うつ剤
3. アリセプト(認知症薬。ドネペジル)
4. 抗パーキンソン薬(特に抗コリン薬は禁忌)★薬剤名
5. 降圧剤、胃腸薬、吐き気止めの一部
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<レビー小体型認知症に限らず
高齢者の認知症が悪化する薬(薬剤性せん妄を起こしやすい薬)>
*一部重複します。(出典・脚注3)
1. ベンゾジアゼピン系の抗不安薬・睡眠薬 ★不安薬薬剤名 ★睡眠薬名
2. 抗ヒスタミン薬(かぜ薬・アレルギー治療薬など)★薬剤名
3. 抗潰瘍薬の一部(シメチジン、ガスターなど) ★薬剤名(出典脚注4
4. ステロイド
5. 抗うつ薬
6. 抗コリン薬(パーキンソン病治療薬)
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<追記した薬>
鎮痛剤で悪化も。
(小阪憲司著「レビー小体型認知症がよくわかる本」P.30)
● レビー小体型の運動機能を悪化させるため使用を避けるべき薬
ハロペリドール(商品名 セレネース)
クロールプロマジン(クロルプロマジン商品名ウインタミン・コントミン)
オランザピン(商品名 ジプレキサ)
リスペリドン(商品名 リスパダール)
アリピプラゾール(商品名エビリファイ)は一般的に運動機能を悪化
(出典:脚注6)(詳細)
● 下痢止め(ストッパ等)、風邪薬、鼻炎の薬は、認知症で低下するアセチルコリンを押さえるので認知機能を低下させます。(出典:池谷裕二・糸井重里著「海馬 脳は疲れない」P.196)
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<脚注(出典一覧)>
1.「認知症薬物療法マニュアル コウノメソッド2013」河野和彦
小阪憲司・羽田野政治著 (2010年9月発行)P.84〜94
3. 2013年2月15日朝日新聞医療サイトの記事(笠間睦医師記述)
4.「処方薬で起こる認知障害」 (コメント欄にある医師の記述)
5.「新しい認知症ケア 医療篇」(2012年発行)P.167 河野和彦著
6. 老年医学 Geriatric Medicine Vol.49 No.7 2011年7月 P.792-P.793「レビー小体型認知症(DLB)・認知症を伴うパーキンソン病(PDD)の治療」和田健二 田中健一郎 中島健二(鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経内科学分野)
参考:*「高齢者が服用すべきではない薬剤の一覧
(国立保健医療科学院・今井博久氏作成、2008)」
「レビー小体型認知症Web事典」からダウンロード可。
*「医療用医薬品の添付文書情報」(最も詳しい副作用情報)
(「医薬品医療器機情報提供ホームページ」から)
*「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬ガイドライン」
(H24厚生労働省事業により研究班作成)
*「おくすり110番」も持病と禁忌の薬などがわかります。
追記 *「厚生労働省作成 薬剤性パーキンソニズムマニュアル」
(H18年度)
<関連記事>
*「アリセプトの量と副作用」(小阪医師、齋藤正彦医師らの言葉)
*「レビー小体型認知症は薬で悪化する」(2013年5月30日の朝日新聞)
*「アリセプトとレビー小体型認知症」(小阪医師の言葉)
*「各種認知症におけるアリセプトの副作用」(医師達の言葉)
*「体験記」(一番下のT.H.さんの体験記からお読み下さい。)